ANSYS LUMERICAL

Lumerical CML Compiler:コンパクトモデルライブラリの生成

デバイス解析や測定の結果から、回路シミュレーションで使えるコンパクトモデルを生成します。素子ごとのモデルをライブラリにまとめ、設計チーム内で共有したり、ファウンドリPDKのモデルライブラリとして配布したりできます。

CMLPDKモデル生成

Lumerical CML Compiler の画面。ライブラリ内の各素子モデルについて、検証・ビルド・テストの進行状況を一覧表示しています

概要

解析結果を、再利用できるモデルに

Sパラメータのように、デバイス解析の結果をそのままINTERCONNECTに読み込める場合もあります。ただし条件ごとの生データのままでは再利用が利きません。設計チームで繰り返し利用するには、解析・測定データを回路シミュレーションで利用できるコンパクトモデルとして整理する必要があります。必要に応じて、寸法・温度・バイアス条件などをパラメータ化できます。

CML Compilerは、この変換を体系的に行います。デバイス解析や測定の結果をもとに、コンパクトモデルを生成し、ライブラリとしてまとめます。

ファウンドリがPDKを整備する際にも、社内でデバイスライブラリを標準化する際にも使われます。設計者ごとにモデルが違う状態を避けられます。

コンパクトモデルライブラリ構築の流れ。データ収集、CML Compiler の実行、QAテスト、ライブラリ配布の4段階を示しています

CML Compilerの利点

モデルとして再利用できることの効果

01

パラメータ化

寸法や動作条件を引数とするモデルを生成します。

02

ライブラリ化

複数の素子をまとめてライブラリ化し、PDKのモデルライブラリとして配布できます。

03

検証

生成したモデルと入力データの整合性を確認できます。

実測データ・シミュレーションデータ・統計データを CML Compiler に取り込み、導波路やカプラ、受光素子、変調器などのフォトニックモデルを生成する流れを示した図

使いどころ

向く場合と、向かない場合

他の手法のほうが速く正確に解ける場面もあります。以下は選択の目安です。

CML Compilerを使う

  • 社内のデバイスライブラリを標準化する
  • ファウンドリPDKのモデルを整備する
  • 解析・測定データを回路設計で再利用できる形にする
  • 素子の寸法をパラメータとして扱いたい
  • モデルのバージョンを管理する

別の手法を検討する

  • 単発の回路解析 → INTERCONNECTにSパラメータを直接読み込む
  • デバイス特性そのものの取得 → FDTD / MODE / CHARGE / HEAT

デバイス解析や実測の結果をコンパクトモデル化し、回路シミュレーションで再利用する流れ。

代表的な用途

どの分野で使われているか

ファウンドリPDKからコンパクトモデルライブラリを生成する流れ。導波路・変調器・カプラ・分岐器・受光素子などのPDK素子が、Verilog-A 形式の回路シミュレーション用モデルライブラリにまとめられる様子を示しています

ファウンドリPDK

プラットフォーム提供者によるモデル整備

PDKサービスを見る

社内で共有するコンパクトモデルライブラリの構成。受動・能動素子のモデル、バージョン管理、モデルQA、ドキュメントを一つのライブラリにまとめ、設計・シミュレーション・検証の各チームが同じモデルを参照する様子を示しています

社内標準化

設計チーム共通のデバイスライブラリ

リング共振器をFDTDで一括解析する場合と、分割してINTERCONNECTで統合する場合の比較

シリコンフォトニクス

受動・能動素子のモデル群

ソリューションを見る

InP フォトニクスのモデルライブラリ。レーザ、SOA、変調器、受光素子を集積した InP チップと、能動素子を含むコンパクトモデル群を示しています

InPフォトニクス

能動素子を含むPDK

ソリューションを見る

入力と出力

何を与えると、何が得られるか

収集した測定・解析データに対して、回路シミュレータで使えるモデルが生成されます。

INPUT

何を用意すればよいか

解析結果・実測値FDTD、MODE、CHARGE、HEATの出力、または測定データ
パラメータ定義モデルの引数とする寸法・条件
テンプレート素子種別ごとのモデル雛形
検証条件モデルの妥当性を確認する条件範囲

CML Compiler

コンパクトモデル生成

OUTPUT

何が得られるか

INTERCONNECT用CMLINTERCONNECTで使用するコンパクトモデルライブラリ
ライブラリ複数素子をまとめた配布可能な形式
QAテスト結果元データとの比較や回帰、受動性・相反性などの検証結果
Verilog-AモデルEDA環境で使うモデルとシンボル

解析ワークフロー

実際の進めかた

モデルの精度が、元データの精度を超えることはありません。どこまで元データを揃えられるかが、ライブラリの質を決めます。

01

モデルの元データを集める

実測値、またはFDTD・MODE・CHARGE・HEATの解析結果を素子ごとに集めます。導波路、Sパラメータ、電気位相シフタ、熱位相シフタには自動データ収集ワークフローが用意されています。

02

ライブラリのひな形を作る

テンプレートからライブラリのソースディレクトリを生成し、素子ごとに適したモデルを選びます。

03

データを検証してビルドする

検証コマンドでデータの過不足と書式を確認し、INTERCONNECT用のCMLとPhotonic Verilog-Aモデルを、同じ元データから生成します。Photonic Verilog-AはCadence Virtuoso向けとSynopsys OptoCompiler向けのいずれかを選んで生成します。対応リリースと動作環境は最新のシステム要件をご確認ください。

04

QAテストを実行する

入力データとの一致、回帰、受動性・相反性、周波数領域と時間領域の整合などを、フォトニックモデルに応じて自動で検証します。

05

配布する

ライブラリをバージョン管理して配布します。INTERCONNECTでは暗号化されたCMLをDesign Kitsから導入し、EDA環境ではライブラリ定義とインクルードファイルを読み込みます。

よくあるご質問

CML Compilerについてよくいただく質問

導入前によくいただく質問をまとめました。

受動素子から能動素子まで、素子種別ごとのテンプレートが用意されています。カスタムモデルの定義も可能です。

素子ごとにQAテストベンチが生成され、入力データと生成モデルの応答を設定した許容範囲で比較できます。フォトニックモデルに応じて、回帰や受動性・相反性などの検証も行われます。精度の基準になるのは与えた元データなので、データが及ばない条件での精度は確認できません。

使います。社内で複数の設計者が同じ素子を扱う場合、モデルを統一しておくと結果の比較が意味を持ちます。

可能です。ただし、使用するシミュレーション環境とモデル形式の互換性を確認する必要があります。INTERCONNECTでは、既存のCMLと自社生成したINTERCONNECT用CMLを同じ回路で利用できます。Photonic Verilog-Aを既存のファウンドリPDKと併用する場合は、対象PDKのモデル形式やポート規約への対応を確認してください。なお、INTERCONNECTのコンパクトモデルとPhotonic Verilog-Aモデルを同一回路内で光学的に接続することはできません。

日本語サポートとトレーニング

解析設定から結果の妥当性の判断まで、ご相談いただけます。実際に操作するハンズオン形式のトレーニングもご用意しています。

ご相談前にお知らせいただけると助かること

  • 対象波長と材料
  • デバイス構造とおおよその寸法
  • 評価したい特性と目標値
  • 既存の解析データや測定結果の有無
  • 想定しているスケジュール

お伝えいただけない情報があっても構いません。差し支えのない範囲で結構です。

解きたい課題で、実際に動かしてみてください

デモではお客様の対象に近い題材を使います。必要な構成と所要時間の目安もその場でお伝えできます。