ソリューション | 光学システム

AR導光板・ニアアイディスプレイの設計ワークフロー

本ページは、回折導光板を用いたAR向けニアアイディスプレイを対象とします。実世界を透かして見せながら、回折で瞳を複製して眼に像を届ける。効率もアイボックスも色ムラも、幾何光線追跡だけでは計算できない回折の物理が決めています。

設計課題

回折の厳密解を、系全体の光線追跡の中に置く

導光板方式では、入射カプラ、瞳拡張、出射カプラのすべてがサブ波長のグレーティングです。広い角度と波長にわたる回折効率が、そのままアイボックスと色の均一性になります。厳密な電磁界解析の結果を系全体の光線追跡に持ち込めなければ、素子は最適でも装置としては成立しません。最終的な合否は、実環境の輝度における人の見え方で決まります。

要件 | 回折効率の厳密性アイボックスと画角が要求する角度・波長の範囲で、回折効率を厳密に求めること
要件 | アイボックスと均一性瞳拡張が全画角でアイボックスを満たし、輝度と色のムラが許容内であること
要件 | 実環境での視認性実際の周囲輝度のもとで、虚像が読めることを確認できること

設計・シミュレーションワークフロー

グレーティングの厳密解から、見え方の検証まで

01

方式と投影光学系の決定

導光方式を選び、画角、歪み、結像性能を設計する。

02

グレーティング配置の設計

入射、瞳拡張、出射の各グレーティングを配置し、光路を成立させる。

03

回折効率の厳密解析

入射角と波長を振り、双方向の回折効率を求める。

04

系への受け渡し

求めた応答をサブ波長モデルとして光線追跡に組み込む。

05

システム性能の評価

アイボックス、効率、色の均一性、観察位置での輝度分布を評価する。

06

知覚レベルの検証

周囲輝度への順応を含め、コントラストと可読性を評価する。

工程はプロジェクトにより異なります。導光板を用いない没入型(VR)光学系は構成が異なるため、別途ご相談ください。

関連製品

各工程で使用する製品

製品ごとの機能と対応範囲は、それぞれの製品ページに記載しています。

Lumerical FDTD

グレーティングの回折効率を担います。RCWAとFDTDで、入射角と波長を振った双方向の回折効率を求めます。

対応工程 / 03

Zemax OpticStudio

投影・結像光学系の設計を担います。シーケンシャル光線追跡で、画角と歪み、結像性能を設計します。

対応工程 / 01-02

Ansys Speos

系全体の配光と見え方の検証を担います。ノンシーケンシャル光線追跡と人間視覚シミュレーションで、アイボックスと可読性を評価します。

対応工程 / 04-06

導光方式とグレーティング仕様から、ご相談ください

設計の現在地(方式の選定段階、画角とアイボックスの目標、既存の設計データ)をお知らせいただければ、適切な進め方をご提案します。