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Lumerical MODE:導波路モードと平面回路の伝搬

FDE、varFDTD、EME の3つのソルバーを備えます。導波路断面のモード解析から、平面集積光回路や長尺テーパーの伝搬解析まで、3D FDTD では計算負荷が大きくなる問題を効率的に扱えます。

FDEvarFDTDEME

Lumerical MODE の解析例。導波路構造と、フォトニック結晶共振器のモード分布を示しています

概要

モード解析から長距離伝搬までを1つの環境で

FDE(有限差分固有モード)は導波路断面を 2 次元の固有値問題として解き、実効屈折率、モード分布、分散、伝搬損失を求めます。伝搬計算そのものが不要なため、非常に高速です。

varFDTD は 3D 構造を 2D の実効屈折率分布に縮約し、面内を 2D FDTD で解析します。異なる垂直スラブモード間の結合が小さい平面構造に適し、光軸を仮定せず面内の全方向への伝搬を扱えます。

EME(固有モード展開法)は構造を断面が一様な区間に分割し、各区間のモードを接続していきます。双方向の伝搬を扱えます。一度モード分解を行えば、モード計算をやり直さずに伝搬長を変更できるため、長さの掃引や最適化を効率的に行えます。

Lumerical MODE の解析画面。導波路構造のレイアウトと、断面モードから伝搬までを同じ環境で扱う様子を複数のビューで示しています

MODE のソルバー構成

解析対象に応じて選べる3つのソルバー

01

FDE

導波路断面の固有モード、実効屈折率、損失、分散を評価。

02

varFDTD

平面集積光回路の面内伝搬を 2.5D で効率的に解析。

03

EME

モード計算をやり直さずに伝搬長を効率的に掃引。

Lumerical MODE の3つのソルバーを並べた図。FDEは導波路断面の固有モードとそのプロファイル、varFDTDは平面集積光回路の面内伝搬、EMEはテーパ構造に沿った長距離伝搬を示しています

使いどころ

向く場合と、向かない場合

他の手法のほうが速く正確に解ける場面もあります。以下は選択の目安です。

異なる垂直スラブモード間の結合が強い構造や、面外への放射・伝搬が重要な構造では、varFDTD の実効屈折率近似が適さない場合があります。その場合は、解析対象に応じて EME や 3D FDTD を検討します。

MODE を使う

  • 導波路の実効屈折率とモード分布を知りたい
  • 数百 µm 以上の平面回路を伝搬させる
  • テーパーやスプリッタの長さを最適化する
  • 曲げ損失やモード変換を評価する
  • ファイバーとの結合効率を求める

別の手法を検討する

  • 3D で強い散乱・放射を伴う任意形状 → FDTD
  • 曲面・斜め界面を含む複雑な断面 → FEEM
  • 周期構造の回折効率 → RCWA
  • 回路全体のリンク性能 → INTERCONNECT

解きたい対象と規模に応じて、MODE の3つのソルバーと他製品のソルバーを使い分けます。

代表的な用途

どの分野で使われているか

Lumerical MODEのFDEソルバーによる導波路解析。導波路レイアウトと、断面で計算された2つのモード電界分布を示しています

シリコンフォトニクス

導波路、方向性結合器、MMI、スプリッタの設計

ソリューションを見る

ファイバー・チップ間エッジカプラの3Dモデル。テーパ導波路とEME解析領域の配置を示しています

光トランシーバ

変調器導波路のモード設計と損失評価

ソリューションを見る

ステップインデックス型とグレーデッドインデックス型ファイバーの断面と、半径方向の屈折率分布を示しています

ファイバー結合

エッジカプラ、スポットサイズ変換器

光フェーズドアレイのアンテナ導波路レイアウト。導波路アレイとグレーティング、モード光源およびモニタの配置を示しています

LiDAR

光フェーズドアレイの導波路・分岐部

ソリューションを見る

入力と出力

何を与えると、何が得られるか

断面形状、材料、波長、デバイス構造を設定し、モード特性、伝搬特性、S パラメータなどを評価します。

INPUT

何を用意すればよいか

断面構造層構成、幅、厚み、材料
波長単一波長または掃引範囲
モード数計算する固有モードの本数
伝搬構造varFDTD では面内のレイアウト、EME では伝搬方向に沿った構造変化

MODE

導波路解析

OUTPUT

何が得られるか

実効屈折率モードごとの n_eff と群屈折率
モード分布断面の電磁界プロファイル
S パラメータポート間の透過・反射
損失伝搬損失、曲げ損失、結合効率

解析ワークフロー

実際の進めかた

MODE では、解析対象に適したソルバーを選び、目的のモードや伝搬特性を正しく設定・確認することが重要です。

01

断面形状と材料を定義する

導波路やファイバの断面を作り、材料を割り当てます。

02

目的に応じてソルバーを選ぶ

断面のモードを求めるなら FDE、テーパなど長い伝搬なら EME、面内デバイスの平面伝搬なら varFDTD を使います。

03

解析領域とメッシュ、境界条件を設定する

エバネッセント成分まで収まる領域を取り、メッシュセル数または最大メッシュステップを決めます。

04

ソルバーごとの解析条件を設定して計算する

FDE では、Search near n / in range と Number of trial modes を適切に設定し、目的のモードが Mode List に含まれていることをモード分布から確認します。波長掃引では対象モードを選択し、Track selected mode を使用して同じモードを追跡します。

05

結果を確認し、次の設計工程へ活用する

FDE では実効屈折率・損失・モード分布・分散、varFDTD では電磁界分布・透過特性・モード結合や S パラメータ、EME ではポート間の透過・反射や S マトリクスなどを確認します。必要に応じて、FDE の導波路特性や varFDTD / EME の S パラメータを INTERCONNECT などの次工程で利用できます。

よくあるご質問

MODE についてよくいただく質問

導入前によくいただく質問をまとめました。

一律の一致率はありません。varFDTD は 3D 構造を 2D の実効屈折率分布に縮約して解析するため、異なる垂直スラブモード間の結合が小さい平面構造で特に有効です。こうした条件では 3D FDTD と良好に整合する場合があります。一方、スラブモード間の結合が無視できない場合や、面外への伝搬・放射が重要な構造では varFDTD の近似が適さないことがあるため、必要に応じて 3D FDTD で検証します。

長いテーパーやスポットサイズ変換器、MMI、周期デバイスなど、伝搬距離の長い構造に適しています。一度モード分解を行えば、モード計算をやり直さずに伝搬長を変更できるため、長さの掃引や最適化を効率的に行えます。

一般的な BPM は緩変化包絡近似を用い、主な伝搬方向を前提とします。varFDTD は面内では光軸を仮定せず全方向への伝搬を扱い、EME は双方向の固有モード展開によって反射を含む伝搬を解析します。高屈折率コントラストや長い導波路構造など、解析対象に応じてこれらのソルバーを使い分けます。

はい。ZBF 形式を介して Zemax OpticStudio のビームデータを MODE に取り込めます。FDE ではモードとの重なりやパワー結合を評価でき、EME では Port へ ZBF データを直接インポートできます。MODE の結果を ZBF として OpticStudio へ戻すことも可能です。

日本語サポートとトレーニング

解析設定から結果の妥当性の判断まで、ご相談いただけます。実際に操作するハンズオン形式のトレーニングもご用意しています。

ご相談前にお知らせいただけると助かること

  • 対象波長と材料
  • デバイス構造とおおよその寸法
  • 評価したい特性と目標値
  • 既存の解析データや測定結果の有無
  • 想定しているスケジュール

お伝えいただけない情報があっても構いません。差し支えのない範囲で結構です。

解きたい構造で、実際に動かしてみてください

デモではお客様の対象に近い構造を題材にします。計算規模と所要時間の目安もその場でお伝えできます。